たった1日で見つかったお母ちゃんに44年ぶりに会えた。
日も暮れようとしている4時40分頃、お母ちゃんの家に到着した。目の前にスクーターを停めてお母ちゃん以外の人が出てきたらマズイので10mくらい離れた所に停めた。どうやらアパートっぽいが生活感がない。もうけっこう暗いのに電気もついていない。いないのか。せっかく見つけたのに。でも車は停まっている。お母ちゃんのか。
とりあえず周りを見て写真と動画を撮ってみた。そして2階にバレないように静かに上がってみるとだいぶ字がかすれて古い感じだがお母ちゃんの名前がポストにある。間違いないお母ちゃんはここにいる。でも2階は1階よりも生活感がない。
どうしようまだ2月2日。超寒い。30分くらい待つと左の窓に小さい明かりが。そして話し声もする。とりあえず近づいて年配の女性の声か確認しようとしたが、ちょうど目の前にエアコンの室外機があり動いていて声が聞き取れない。仕方なくまた10m離れて見ていた。どうしよう寒くてしょうがない。なんとかお母ちゃん外に出てこないかなと思っていたが出てこない。あと30分くらいしても出てこなかったら。しょうがない帰ろうと思って10分くらい経過した。
お母ちゃんとの出会いの瞬間
すると誰かが左側の窓の雨戸を閉め始めた。やった!チャンスだと思い近づいたが、まだ5mもあるのに閉め切っちゃった。がっかりだ。暗くて女性かも良く分からない。もうダメかな。でも、右側にも窓が3枚分ある。そっちを閉めに行ってくれと思っていると。そっちの明かりが付いた。
最後だ!今日はもうチャンスは無いと思いフライング気味に。でも足も調子悪いので時間がかかる。最後の3枚目の雨戸を閉めようとした瞬間、顔がわかる距離まで行けた。年配の女性だ。俺のお母ちゃんだ!
私『すいません、○○さんですか?』
母『はい、どなたですか』
私『たかまさ』
母『えっ』
私『たかまさ』
母『えっ』
私『た・か・ま・さ』
母『たか・ま・さ』。。。 『入ってください』と玄関に案内された。
お母ちゃんの家には黒いチワワがいた。動物は嫌いではないが、そのチワワは吠えるしズボンのスソに噛み付いてくる><勘弁してくれ。
ダイニングのテーブルのイスに座らされた。お母ちゃんは会いにいくと迷惑がかかるんじゃないかと思って行かなかったと言っていた。でも来て欲しかった。会いたかった。
私のことも聞かれたが、今は求職中であることは言ったが、4ヶ月くらい休んでるといったが本当はすでに7ヶ月。年金も44歳にして5年くらいしか払えてないのに10年ちょっと言い。体調がとても悪いこともそんなに悪くないとウソつきまくった。
本当は金銭的に援助してもらうつもりもあったが、突然現れた息子がマトモな人間じゃないと思われたくないから。ウソをついた。お母ちゃんの自慢の息子になりたいのに出来ない。
子供すらいない。20年近く前に死んだお婆ちゃんと2人で生活してきて家族が少ないのが嫌で18歳になったらすぐ結婚して子供たくさん作るのが夢だったというのに。家も貯金も稼ぎもマトモに働ける体も無い私には出来ない事かもしれないが。
時間にして2時間くらい。終始あっけらかんとしていた母。あっさりした性格なのか。もっと感動するもんだと思い込んでいた。それどころか時計をチラチラ見始め。『そろそろジムの時間だわ』と言う。お母ちゃん、たかまさの事大切じゃないの?><と思いつつ気を使って帰ることにした。
帰り際にどうしてもお母ちゃんを抱きしめたくて、両手を伸ばし『ギュッ』と言うと、お母ちゃんは私を抱きしめて泣いた。『ごめんね』と言いながら泣いていた。
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